心の病気を抱える患者のケアで大切なこと

心の病気は本人に甘えがあって起こるものと考える人が多いが、誰にでも起こりえる病気である。仕事や家庭のストレスが蓄積し、心の不安定が続くことで発症するケースが多い。心の病気を抱える患者のケアで大切なのは、相手を理解する気持ちを持つことである。火傷や怪我などは目で見て確認できるが、心の病気に関しては目で判断が難しいことから軽視されやすい。そのため患者を無理に急かせたり、頑張らせたりしてしまう看護師が少なくないのである。心の病気は怪我の治療よりも時間がかかるのが普通である。ときに数年を要することもあるので、焦らずに少しずつケアしていくことが大切だ。看護師が急かせてしまうと、患者は焦ることでストレスを感じてしまい、余計に症状が悪化してしまうことが多い。ストレスは心の病気の引き金となるため、いかに軽減していくかが大切だ。そのためには患者自身が嫌な気持ちを吐き出し、心をリフレッシュさせることが重要である。

心の病気のケアでは患者の話をしっかりと聞く必要がある。心の病気の治療には薬物療法が役立つが、それだけではストレス耐性を高めることが難しい。薬物療法でストレスをある程度は取り除けるが、ストレスの原因に働きかけるものではない。ストレス耐性を高めるためには、自分の気持ちをしっかりと相手に伝える練習が必要である。気持ちを明確に伝えるコミュニケーションを意識すれば、ストレスを溜め込みにくい性格に変化していくだろう。